STP分析でターゲットを決定
現代のグローバル化社会において、競争激化で「モノが売れない」「自社のサービスが認知されない」と思う方は多いのではないのでしょうか？ しかし、「モノが売れなくなった」のは本当に外部の影響だけでしょうか？
マーケティングとは、「市場調査」の事や「テレビや新聞などのマスメディアでサービスを宣伝する事」だと一般的には思われるかもしれません。 しかし、それは違います。 かの有名なピーター・F・ドラッガーは、「マーケティングの理想は、販売を不要にする事である」と言っています。
つまり、マーケティングとは、「販売活動をせずにモノが売れる仕組み作り」「儲かり続ける仕組みを作る事」になります。 そんなマーケティング「モノが売れる仕組み作り」には基本的な考え方があります。
①3C分析(自社環境の確認)
②SWOT分析(自社の強み・弱みを知る)
③STP分析(ターゲットを絞る)
④4P分析(アプローチ方法を考える)
上記は代表的なマーケティング手法で、基本でもあります。 3C分析・SWOT分析で自社の分析を行い、自社の強みや弱みを理解した上で、STP分析で市場を決定して、 ターゲットを絞ります。そして、4P分析で、決定された市場やターゲットに対して、どの自社商品を販売して、 プロモーション活動を行うかマーケティング立案していきます。 マーケティングを行っていくには、手順がります。 最も基本である3C分析で「自社環境」の分析が終ったら、次は「SWOT分析」で自社の強み・弱みを分析します。 その手順が終ったら、次にSTP分析でユーザーを決定していきます。では今回は、そのSTP分析について考えていきたいと思います。
STP分析とは
STP分析とは、市場を細分化するセグメンテーション(Segmentation)、市場の決定のターゲティング(Targeting)、 自社の立ち位置の明確化ポジショニング(Positioning)の頭文字3つをとって、STP分析と呼ばれています。
STP分析とは、ターゲットとなる市場や客層を絞り込んで、自社の立ち位置を把握して競合優位にたつための分析方法で、 「自社の商品を、どこの市場・どこのターゲットにプロモーションをかけるか」という、 マーケティング戦略を策定するための、最初のフェーズになってきます。
セグメンテーション
では、まず最初にセグメンテーションを考えて行きます。 STP分析のSであるsegmentation(セグメンテーション)とは、一言で言うと「商品市場を細分化」する事です。
なぜ、市場を細分化する必要があるかというと、 マスマーケティングのように、細分化せずに、市場全体・不特定多数をターゲットにしてしまうと、失敗に終ってしまうからです。 情報が大量にある現代においては、商品のコンセプトが曖昧になってしまい、軸がぶれて誰も購入しない誰も認知しない事態に陥ってしまいます。
自社の商品がどれだけ優れていても、それがどの市場でどのような立ち位置にいるかを知らないと、戦略立案は難しいです。 あなたの商品の対象市場を明確に細分化して理解した上で、マーケティング戦略を行う必要があるのです。 基本的は4つのカテゴリーでセグメンテーションしていきます。
①地理的カテゴリー:地域や気候、その地域の文化化や人口規模や人口進捗などを細分化していきます。
②心理的カテゴリー:休日のライフスタイルや、その人の価値観、人間が抱く感情について細分化します。
③人口統計分布カテゴリー:性別・年齢や職業、収入や家族構成、学歴などを細分化します。
④行動的カテゴリー:新規かリピーターか、使用頻度、購買意欲や購買回数など、人間の行動を細分化します。
実際にどのような潜在的な市場があるか明確に把握して、細分化された市場のニーズに着目できる様に、グループ化していきます。
ターゲティング
次に、ターゲティングを考えます。 STP分析のTであるtargeting(ターゲティング)とは、ターゲット層を抽出していく考え方になります。
セグメンテンショーンを行い、細分化された各グループから、実際に自社のターゲットとなるグループを選んで行きます。 自社の商品コンセプトやイメージや価格帯にあった顧客を選定するのです。
ここでのターゲットが決まってきたら、あなたの顧客ペルソナ像が浮かび上がってきます。 ターゲット設定に対して、主に3つの効果のあるマーケティング手法があります。
無差別マーケティング:グメントで分けられた複数の市場を同質的なものと考え、単一の商品・サービスを提供する方法です。単一商品を大量生産するので低価格が実現できます。
分化型マーケティング:セグメントで分けられたそれぞれの市場に対して、異なる商品・サービスを提供する方法です。多品種の取扱のため、各市場に個別の対応する事ができます。
集中型マーケティング:セグメントで分けられた、小規模の市場に絞り込んで、特定の顧客に商品・サービスを提供する方法です。
ポジショニング
STP分析の最後の1つは、positioning(ポジショニング)です。 ポジショニングとは、セグメントしたターゲットの中での、 他社の競合製品・サービスと自社の立ち位置を決める事になります。
STP分析の最終ステップにもなります。ここがしっかりしていないと、戦略の策定にも影響が出てきます。 セグメンテーションしてターゲットを絞った市場が、現実に自社商品が競合優位にたてるかを検討します。 考え方としては、ポジショニングマップを作成して自社と競合を比べていくと、非常に考えやすいです。
ポジショニングマップとは、商品がその市場においてどのような位置づけにあるかを、 2つの価値軸のマトリックスで分かりやすく考える方法です。 ここでのポイントとしては、2つの価値軸は、なるべく関係性が薄いものを選びます。
これにより、競合他社よりも、価値軸で上回っている場所、競合他社がいない場所を探し出し、 差別化をはかりマーケティング戦略を立案する事ができるのです。
STP分析のまとめ
STP分析は、一言でいうと、「商品の市場価値を理解して、ターゲットを絞り、競合優位性にたつ」になります。 特に難しい事はなく、商売をする上では、「当たり前」の事ですが、頭で考えていてもなかなかうまくいきません。 そこで、STP分析が必要になってきます。
商品や情報が大量にある現代において、プロダクトアウトの考えでは、商品は全く売れません。 自社目線ではなく、マーケットインの顧客目線で、マーケティング活動を行う事が重要で、最低レベルになってきています。 ターゲット自体の掘り起こしと、ターゲットのサービスに1つずつ答える事、 定期的にマーケティング分析を行い、環境の変化をいち早く把握して事業戦略に反映させることをおすすめします。
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